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絵とか文のBL2次創作サイト(純エゴ、トリチア、バクステの話が多いです)
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新年なので景気よく更新します!!

スパークで発行した別横読んでくださった方もいらっしゃいますかね??
私あれの中で戦国純情絵巻というのを書いてたんですが、実はこっそり続きがあるのでこっそりupします。
別横読んでても読んでなくても意味わからないと思うので、よかったら適当に読んでください。
すごいふざけた感じの桐横です。
あと続くって書いたけど続きません。

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+ + + + + + + + + +
☆☆☆☆☆☆


戦国純情絵巻~風雲篇~

(前回までのあらすじ)

仙台へ出張中、戦国時代へタイムスリップしてしまった横澤隆史。
そこで出会ったのは親友・高野政宗に瓜二つの戦国武将・伊達政宗だった。
政宗に従って一部隊を率いて合戦へと出陣した横澤は、政宗も驚愕するほどの働きを見せる。
横澤のおかげで大勝利を収めた伊達軍だったが、自分に『時代に選ばれし力』があることを知り、横澤は戸惑う。
そんな中、伊達軍の弱体化を狙って政宗の暗殺計画が立てられていることがわかる。横澤は毎夜政宗の寝所の隣で警護をすることにしたが、横澤のもとへ不穏な影があらわれた――――――――

☆☆☆☆☆☆


「お前は誰だ」
横澤は闇に向かって詰問した。
隣の部屋で眠っている政宗を狙う暗殺者だということは十中八九間違いない。
しかし殺気を感じさせない相手に横澤は不審さを感じた。
暗くて向こうのことはよく見えないが、笑っているような雰囲気さえ感じさせる。
間合いを詰められないうちに、と横澤が枕元の槍を手に取ると、
「………ッ!」
「遅いな」
横澤が槍を手にした瞬間、相手はぴたりと体を寄せるように接近し、喉元には冷たい刄が当てられていた。
(いつ、動いた…!?)
厳しい屋敷の警備を潜り抜けてここまでやってきたということは相当の手練だとわかる。
しかし横澤には移動した気配すら感じることができなかった。

「……名を名乗れ」
下手に動くことができない横澤は死を予感した。
自分に特別な力があるとわかったとはいえ、まだそれをうまく使いこなすことはできないのだ。
どうせここで死ぬならば、政宗を狙う相手の名前くらい知っておきたい。
「どうせ死ぬのに名前なんて聞いてどうする」
「黙れ」
「名乗れと言ったり黙れと言ったり面倒くさいやつだな」
「……ッ」
くすくすと微かな笑い声を漏らしながら、相手はすいと刄を収めた。
そして横澤の耳元で大丈夫、と囁く。
「最初からお前を殺すつもりなんてないからな」
そう言って、顔に巻いていた布をするするとほどいた。
距離が近づいたせいで、相手の顔立ちがよく見える。
涼やかに微笑むその顔はなかなかの器量で、きちんとした格好をしていれば誰も暗殺者などとは思わないだろう。

「桐嶋禅之介」

形の良い唇が、彼の名を発した。
「桐嶋……だと……!?」
横澤は驚いた。
桐嶋といえば、諸将にその名を知られる隠密集団ではないか。
そして桐嶋禅之介はその一派を率いる桐嶋流隠密術の頭領として名高い。
冷酷かつ正確無比なその仕事により、狙われて逃げ切った者はいないという。
(まさか、そんな奴らが差し向けられていたなんて……!)
自分一人の力では政宗を守り切れないのではないかと、横澤は唇を噛んだ。
「まあ待て。俺はお前が考えてるような目的でここに来たんじゃない」
桐嶋はそう言うが、信用できるものではない。
警戒の色を消さない横澤へ、桐嶋はこう言った。

「俺はお前の力が欲しくてここへ来たんだよ」

理解の追い付かない横澤へ、桐嶋は手を差し伸べた。
まるで横澤をいざなうように。
「その力、俺たちのために使わないか?」
「ば、馬鹿なことを…!」
横澤が声を荒げると、桐嶋はニッと口角を吊り上げた。
「俺たちの仲間になれば、どんな情報も手に入る。お前が元の世界に帰る方法もわかるかもしれないが?」
「!?」
(こいつは俺のことをどこまで知っている!?)
この取り引きは横澤の心を揺り動かしたが、桐嶋の話に乗れば政宗を裏切ることになる。
「俺は政宗を裏切るような真似は……しない」
動揺を悟られないようにそう告げても、桐嶋の笑顔に変化はなかった。
「プライドの高い奴は好きだよ」
その顔にはまったく怒りの色などない。

桐嶋はくしゃくしゃと横澤の頭を撫でた。
「また会いにくる」
一言そう告げると、つむじ風のように闇へと姿を消してしまった。


(あいつは何者なんだ?)
横澤のことをよく知っている口ぶりだった。
それに、横澤の力のことも知っていた。
それに、
(あいつは確かに『プライド』と言った)
戦国時代の人間がそんな言葉を使うだろうか?

命の危機を脱した安堵感よりも、桐嶋とは何者なのかという疑問ばかりが横澤の胸に渦巻いていた。


(続く)
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