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絵とか文のBL2次創作サイト(純エゴ、トリチア、バクステの話が多いです)
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801界に受けを目の前にしてたたない攻めはいないというようなことを聞いて、
確かに!と思ったのですが、どうにもムラムラして書きました。
下半身ネタですけれど、別にえろくないです。
「続きを読む」からどうぞ。

拍手[1回]


+ + + + + + + + + +
ヒロさんのベッドにごそごそと潜り込む。
こうやってヒロさんといっしょに過ごせるのはすごく久しぶりだ。
何日も独り寝させてしまってすいませんでした。
寂しかったですか?
心も身体も寂しかったのを、今から俺が一杯に埋めてあげます。

まだヒロさんの肌に触れ始めたばかりだというのに、ヒロさんの顔はすっかり上気しきっていてすごく可愛い。
俺のことを睨みつけてもブツブツ文句を言っても、全部『可愛い顔』にカテゴライズされてしまう。
思わず頬のあたりを撫で回してしまった。
「てめ…、がっつき過ぎだ…っ。」
そんなことを言いながらヒロさんの足が身体に絡みついてきて、武者震いのようなゾクゾクした感覚が駆け抜ける。
今晩はヒロさんもいつも以上に欲しがってるみたいだ。

ちゅ、ちゅ、ちゅ、とキスを落としながらヒロさんの服をどんどん脱がせていく。
手のひらで触れた面積が増えていくに従って、ヒロさんの感度も加速する。
「ん…っふ…。」
可愛い吐息も絶対に聴き漏らさない。
そうやって肌をまさぐって、太腿の付け根に手を伸ばしたところで俺は固まった。

「…なに、野分…?」

それ以上進んでこようとしない俺を訝しがって、ヒロさんが尋ねてくる。
でも俺は答えられない。
だって、そんなことあるはずが…。

「もしかしてお前、」

しかし俺の異変は一目瞭然だった。
いつもならヒロさんに触っていれば当然のように反応するそれが。

「たたねー、の…?」

反応、していなかった。




それからの俺は情けないの一言だった。

「や、たぶん、お前疲れてるんじゃないか?」
ヒロさんは優しい。
中途半端なところで放り出されたというのに、俺の心配をしてくれる。
「すみません、俺…。」
「ほら、疲れてるときってできねーときあるっていうじゃん。なっ?」
胸元にキスマークをのぞかせながら、努めて明るく言葉をかけてくれるヒロさん。
そんなヒロさんが愛しくてたまらないのに、本当に俺はどうかしてしまったのか。
「ヒロさん、あの、俺ヒロさんとしたくないなんて思ったこと一度もないです。それだけは…っ」
「…わかってる。だから今日はもう寝ろ。」

子供みたいにヒロさんに寝かしつけられた俺は、ただヒロさんの手を握ってため息をつくことしかできなかった。
ヒロさんといっしょに寝てるのに、こんなに心が浮かないなんて。

傍にいるのに、俺のせいでヒロさんを抱けない。
全部、悪い夢ならいいのに。
明日になったら全部笑い話になっていればいい。



次の朝は普通に二人で朝ご飯を食べて普通の会話をして、いってきますと家を出たけれど、
ヒロさんが俺に気を使ってくれているのがひしひしとわかる。
それに対して俺ができることは何もなく。

あれからわかったことは、俺は決してできなくなったわけじゃないってことだ。
あの晩以来、ヒロさんが家にいる時間には帰ってこれず、すれ違いの日々に欲求が溜り、
ヒロさんヒロさんとこの前のすごく可愛かったヒロさんのことを考えていたら、一人でできてしまった。
一人ではできるのに、ヒロさんを前にするとできない。
そんなことをヒロさんが知ったら傷つくに決まっている。

こんな風に気負うのが一番よくないのかもしれないけど、
「ヒロさんを抱けなくなったらどうしよう」という不安がどうしても頭をよぎる。
もちろんヒロさんがずっと俺と添い遂げてくれるなら、遠い将来そんな日はやってくるのだろう。

でも今は?

ヒロさんに欲情しないときなんてない。
ヒロさんの感じやすい身体を満足させてあげたい。
抱き合って抱き合って、何度も好きですと繰り返したい。

今みたいに思考がぐるぐるループしてるときには決まって良いことはないってことを俺はちゃんと知っている。
次にヒロさんに会って触れることが怖いなんて初めてだ。

俺はヒロさんを傷つけるようなことは絶対にしたくない。



「あ、おかえり…。」
「…ただいまです。」
自分の身体の反応が怖くて、久しぶりに会えたというのにただいまのキスもできない。
(もともとそんなことあまりさせてもらえないけれど。)
ぼんやりと時間が過ぎ、二人とも風呂を済ませたので、ヒロさんの手を引いて寝室へ向かった。
ヒロさんはおとなしくついてきてくれたのだけど、
いつもみたいに暴れたりしないのが、余計に俺の心を締め付ける。



「…やっぱりお前、この前のことがストレスになってるんじゃねーの?」
結局今日もうまくいかなかった俺を、ヒロさんが優しく慰めてくれる。
俺はため息をついてヒロさんにもたれかかっていた。
「別に俺にこだわらなくてもいいんだぞ?」
「…どういう意味ですか。」
「ほら、AVとかそういうの見てみたら何か変わるかもしれないし。お前も男だろ?」
「…ヒロさんじゃないと駄目なんです。」
「いやあ、俺の身体に飽きたのかもしれねーじゃん。なーんて…」

「冗談でもそんなこと言わないでください!!俺はヒロさんじゃなきゃ…!」

びくり、とヒロさんの肩が跳ねた。
「わ、悪ィ…。」
いけない、ヒロさんを怯えさせてしまった。
「すみません、大声出してしまって。」
ヒロさんは無言のままうつむいている。
最悪だ、ヒロさんに当たるなんて。

「あのさ。」
ヒロさんが意を決したように俺の方を向いた。
「俺、ならいいんだよな…。」
そう言うとヒロさんは羽織っていたパジャマのボタンを、ぷちぷちと外し始めた。
徐々にあらわになる白い肌。
「お前の言う通りに動いてみせるから…。」
俺の膝の上に乗り上げてきたヒロさんの目は、艶めかしく、それでいてどこか悲愴だった。
下腹部のあたりに顔を伏せようとするヒロさんの肩を思わず激しく掴んだ。

やめてください。
俺のためにそんなことをしないで。

「俺はヒロさんにそんなはしたない真似をしてほしいわけじゃない!!」

気付いたときにはもう遅かった。
決定的にヒロさんを傷つける言葉。
絶対にヒロさんを傷つけるようなことはしないと決意したばかりなのに。
ヒロさんは何一つ悪くないのに。

「すまん、お前の問題なのに俺が出張ったみたいで…。」
「いえ、あの、俺の方こそ。」
「俺、部屋に戻るから。このままいっしょにいてもお互いにツライだろ?」

その夜は、ヒロさんの代わりに拭えない大きな後悔を抱えて寝ることになった。
ごめんなさい、ヒロさん。
俺はどうしたらいいんだろう。



「あっれ~、野分?昨日は早い時間に帰れてたじゃん。なんでそんなにテンション低いわけ?」
「ええ、まあ…。」

今日も元気な先輩の笑顔が眩しくて、俺は力ない返事しかできなかった。
「なになに、上條サンとまたケンカでもした?」
「…ケンカの方がまだマシです。」
ケンカなら一生懸命謝って話をして抱き合って仲直りすればいい。
仲直りはけっこう難しかったりもするけど、できないことじゃない。
努力とタイミングの問題だ。

「浮気された…、も違うか。お前浮気されたら落ち込むタイプじゃねえよな、絶対。」
はい、きっとなりふり構わずに突進してしまうタイプです。
そしてヒロさんは浮気なんてしません。

「お前に限って上條サン前にして勃ちませんでした~、とか?」

「……。」
「あっ、マジでか!やー悪い悪い。なんだったら俺が処方箋書いてやろーか?」
先輩の冗談にも笑ってあげられない腑甲斐ない後輩を許してください。
さすがに先輩の笑いも若干引きつっていて、少し悪いことをした気分になる。

「…ここからは一般論だ。」
「はあ。」
きり、と先輩の表情が変わる。
人を茶化してるときとは全然別の顔だ。
先輩のこんなところを俺は密かに尊敬している。
(まあ一番はヒロさんだけど。)

「夫婦生活っていう言葉はそーいうことを意味するわけだが、要は二人で家庭を築くのに大切な行為ってワケだ。」
「…。」
「できるとかできねーとかそういうもんじゃないと俺は思うわけよ。」
「…?」
「少女漫画みたいに手ェ繋いで寝てもいいし、日本昔話みたいに肩たたいてやってもいいし、キャバみたいに二人でエロい話してもいいし。」

「そうやって二人で家作り上げてます~ってことが確認できればいいんじゃね?」

急に頭の中のもやが晴れた気分になった。
その瞬間、俺は気付いてしまった。
俺がぐだぐだ悩んでいることで、ヒロさんに余計寂しい思いをさせていたことに。

今は、ヒロさんに会いたい。
会いたくて会いたくて仕方ない。
素直にヒロさんに会いたいと思えることがこんなに幸せなことだなんて、
俺は長いこと忘れていたみたいだ。

「先輩、ありがとうございました。」
「どーいたしまして。っていうか、オマエ『夫婦』ってとこには一切突っ込まねえのな。」
ええ、そこは、俺ら夫婦ですから。
そのあたりを先輩はよくわかっていてくれるようで嬉しい限りだ。

「そういえば。」
「ん?」
「先輩、少女漫画なんて読むんですね。」
「そこは突っ込むところじゃねえよ。」



灯りの落ちたヒロさんの部屋にそっと忍び込む。
ヒロさんはもう寝てるかな。
寝顔を見て、髪を撫でて、ヒロさんが気付いてスペースをあけてくれたら隣で寝よう。
ヒロさんはこの前のこと、許してくれるだろうか。

…と、ヒロさんの枕元にきた俺は気付いた。
足元に散らかるティッシュのかたまりに。

「ん…、野分…?」
俺の気配にヒロさんが目を覚ましたみたいだ。
めくれた布団から見えるのは、胸のあたりにティッシュを抱えたまま寝ている姿で。

それを見て、よく知っている感覚が俺を襲った。

俺はガマンできずに掛け布団をはぎとって、ヒロさんにのしかかった。
「帰るなり何すんだ、ボケっ!…ん、あ…ッ。」
乱れたパジャマの裾から手を差し入れると、余韻の残るヒロさんの身体が過剰に震えた。
「ごめんなさい、ヒロさん。」
俺、ヒロさんを満たしてあげなきゃなんて傲慢なこと考えてました。
ほんとはヒロさんとただ触れ合いたいだけなのに。
「ごめんっつー行動じゃねーぞ!」
俺がヒロさんをぎゅうぎゅう抱き締めたから、ヒロさんもわかったみたいだ。
「お前…、もう、その、大丈夫なのか…?」
「はい、そうみたいです。」

ヒロさんに触って、いつもの反応。
ごく当たり前で当然の幸せ。

「ヒロさん、今日はいっぱいさせてくださいね?」
「ば…、いっぱいは無理だ!ちょっとだ、ちょっと!」
「ちょっとって何回ですか?」
「何回ヤるつもりだ、お前はーーー!!」



「…心配して損した…。」
まだ呼吸も整わないヒロさんが俺をにらみつける。
嬉しくて仕方ない俺が手を握ったままなのにも文句を言いたいらしい。
「でも俺このままヒロさんを抱けなくなったらどうしようってずっと不安でした。」
「…不安はちゃんと俺に吐き出せ。な?」
あやすようにぽんぽんと俺の体をたたいてくれるヒロさんの手はどこまでも暖かい。

ヒロさん、俺の家族になってください、という言葉は今は胸の中にしまっておく。
でもいつか言えればいいな。

とりあえず今は、俺の不安なんか簡単に吹き飛ばしてくれるヒロさんの可愛さに感謝しよう。

「ヒロさんずっと一人でしてたんですか?」
「黙れボケ!!」







END



★★★


書いてみての感想は、やっぱりありえないな!です。
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