絵とか文のBL2次創作サイト(純エゴ、トリチア、バクステの話が多いです)
いっぱい押していただけて満足しちゃったので拍手お礼下げました。
置いてた3種類のssは、受け組三人+女子の組み合わせでした。
お正月は会えないことが多いんじゃないかなーと思いまして…。
拍手押してくださった方どうもありがとうございました!
「続きを読む」からどうぞ。
置いてた3種類のssは、受け組三人+女子の組み合わせでした。
お正月は会えないことが多いんじゃないかなーと思いまして…。
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1、律っちゃんと杏ちゃん
例えば親戚のおじさま方おばさま方が一生懸命餅つきをしているのを眺めているときにも考えてしまうのは高野さんのことだったりするわけで。
今年もたくさんお餅をもらうだろうから高野さんにまたおすそわけだな、とか。
去年はどうやって二人で食べたっけ、とか。
実家から自分の部屋に戻ったあと高野さんと鉢合わせしてそのあと強引にうわああああ、だとか。
「律っちゃん、顔赤いよ」
わざとらしく口を尖らせる杏ちゃんはかなり正確に俺の考えていることを読み取っているはずなので、もっと赤面してしまう。
糯米を蒸す釜戸の火が熱いというのはうまい言い訳にはならないだろうか。
「お餅、黄粉とお醤油どっちがいい?」
「黄粉…にしようかな」
「ふうん」
ただ味を選んだだけなのに、杏ちゃんは意味深な返事をする。
「見かけによらず甘いものが好きな人なんだね」
「……誰の話さ」
確かに去年はいっしょに黄粉餅を食べたんだったけれど、俺だって本当に甘党なのか知りたいんだから離れているときくらい俺の心をかきまわさなくってもいいじゃないかと結局恨めしく高野さんのことを考えてしまうのだった。
2、千秋と千夏
はっきりいって年末の実家における俺は邪魔者以外の何物でもない。
こたつでごろごろしていれば掃除機をかけにきた母親に追い出されるし、台所をうろうろしていれば妹につまみ食いするんじゃないと怒られる。
だからおとなしく自分の部屋で新年がやってくるのを待つしかなく、正月だというのに鬱々として過ごさなければならないので色んな意味を差っ引いてもトリに会いたいのである。
「今年は芳雪くんと初詣に行かないの?」
元旦に家族でこたつを囲んでいると千夏がそう聞いてきた。
「んー……風邪ひいたんだって」
本当ならトリを誘って近所の神社に行くつもりだったけれど、俺のせいで酷いことになった年末進行の疲労とこの冬の寒波がたたってトリは実家に着いた途端ダウンしてしまった。
おばさんが言うにはたいしたことはないらしいけど、お互い実家に帰省している身なので側にいてやれないのがもどかしい。
(ついてても何にもできないけど、さ)
実家に母親がいるわけだから、いつも以上に俺は役立たずなのだと無力感にうなだれた。
「芳雪くんが風邪ひいたのお兄ちゃんのせいじゃないの?」
妹の歯に衣着せない意見が胸を直撃した。
「あーあ、俺が風邪ひけばよかった」
そうしたらトリには迷惑かけないのに。
今すぐお見舞いに行っていっぱい謝って、俺に移せと言ってちゅーの一つ二つしてやってもいい。
「でも馬鹿は風邪ひかないもんね」
「……それが真の馬鹿はつまらないところで風邪ひくんだよ、千夏……」
3、木佐さんとサファイア編集長
新年というのはそれだけでめでたいのだが、この正月の同期会は同期の結婚祝いも兼ねているためさらにめでたい。
そしてその分財布に優しくないのだった。
「別にわざわざお祝いとかいいのに」
「まー一応大人だからねえ。おめでとうの気持ちくらいちゃんと形にしますよ、編集長様」
「でもさすが木佐、センスいいね。ありがと」
忙しい合間を縫って同期に声をかけて、俺が代表で結婚祝いを選んで先ほど渡したのだった。
ファンシー丸出しの仕事場を形成しているエメ編の俺が結婚祝いを選ぶのにふさわしいだろうという推薦理由だ。
確かにかわいいものは好きだし、色々品物を選ぶのは楽しかったけれど、実はこれを選んだのは厳密に言うと俺ではない。
俺と同じくらい、いや、俺以上に少女漫画ちっくなキラキラふわふわしたものが好きな俺の恋人が選んだものだった。
(だってあいつが買い物についてくるとかいうから……)
雪名が強引についてきたわけだが、二人でかわいいものを物色するのは正直なところものすごく楽しかったし嬉しかった。
ただ実際に選んだものをお祝いとして渡し、みんなにわいわいと誉められるのはなんというか、こう……。
(……おおっぴらに恋人自慢をしてるみたいで恥ずかし過ぎる)
今頃は北の大地にいるのであろう雪名とこの気持ちを分かち合えないのがもどかしく、酔ったふりをして俺はひそかにため息をついた。
例えば親戚のおじさま方おばさま方が一生懸命餅つきをしているのを眺めているときにも考えてしまうのは高野さんのことだったりするわけで。
今年もたくさんお餅をもらうだろうから高野さんにまたおすそわけだな、とか。
去年はどうやって二人で食べたっけ、とか。
実家から自分の部屋に戻ったあと高野さんと鉢合わせしてそのあと強引にうわああああ、だとか。
「律っちゃん、顔赤いよ」
わざとらしく口を尖らせる杏ちゃんはかなり正確に俺の考えていることを読み取っているはずなので、もっと赤面してしまう。
糯米を蒸す釜戸の火が熱いというのはうまい言い訳にはならないだろうか。
「お餅、黄粉とお醤油どっちがいい?」
「黄粉…にしようかな」
「ふうん」
ただ味を選んだだけなのに、杏ちゃんは意味深な返事をする。
「見かけによらず甘いものが好きな人なんだね」
「……誰の話さ」
確かに去年はいっしょに黄粉餅を食べたんだったけれど、俺だって本当に甘党なのか知りたいんだから離れているときくらい俺の心をかきまわさなくってもいいじゃないかと結局恨めしく高野さんのことを考えてしまうのだった。
2、千秋と千夏
はっきりいって年末の実家における俺は邪魔者以外の何物でもない。
こたつでごろごろしていれば掃除機をかけにきた母親に追い出されるし、台所をうろうろしていれば妹につまみ食いするんじゃないと怒られる。
だからおとなしく自分の部屋で新年がやってくるのを待つしかなく、正月だというのに鬱々として過ごさなければならないので色んな意味を差っ引いてもトリに会いたいのである。
「今年は芳雪くんと初詣に行かないの?」
元旦に家族でこたつを囲んでいると千夏がそう聞いてきた。
「んー……風邪ひいたんだって」
本当ならトリを誘って近所の神社に行くつもりだったけれど、俺のせいで酷いことになった年末進行の疲労とこの冬の寒波がたたってトリは実家に着いた途端ダウンしてしまった。
おばさんが言うにはたいしたことはないらしいけど、お互い実家に帰省している身なので側にいてやれないのがもどかしい。
(ついてても何にもできないけど、さ)
実家に母親がいるわけだから、いつも以上に俺は役立たずなのだと無力感にうなだれた。
「芳雪くんが風邪ひいたのお兄ちゃんのせいじゃないの?」
妹の歯に衣着せない意見が胸を直撃した。
「あーあ、俺が風邪ひけばよかった」
そうしたらトリには迷惑かけないのに。
今すぐお見舞いに行っていっぱい謝って、俺に移せと言ってちゅーの一つ二つしてやってもいい。
「でも馬鹿は風邪ひかないもんね」
「……それが真の馬鹿はつまらないところで風邪ひくんだよ、千夏……」
3、木佐さんとサファイア編集長
新年というのはそれだけでめでたいのだが、この正月の同期会は同期の結婚祝いも兼ねているためさらにめでたい。
そしてその分財布に優しくないのだった。
「別にわざわざお祝いとかいいのに」
「まー一応大人だからねえ。おめでとうの気持ちくらいちゃんと形にしますよ、編集長様」
「でもさすが木佐、センスいいね。ありがと」
忙しい合間を縫って同期に声をかけて、俺が代表で結婚祝いを選んで先ほど渡したのだった。
ファンシー丸出しの仕事場を形成しているエメ編の俺が結婚祝いを選ぶのにふさわしいだろうという推薦理由だ。
確かにかわいいものは好きだし、色々品物を選ぶのは楽しかったけれど、実はこれを選んだのは厳密に言うと俺ではない。
俺と同じくらい、いや、俺以上に少女漫画ちっくなキラキラふわふわしたものが好きな俺の恋人が選んだものだった。
(だってあいつが買い物についてくるとかいうから……)
雪名が強引についてきたわけだが、二人でかわいいものを物色するのは正直なところものすごく楽しかったし嬉しかった。
ただ実際に選んだものをお祝いとして渡し、みんなにわいわいと誉められるのはなんというか、こう……。
(……おおっぴらに恋人自慢をしてるみたいで恥ずかし過ぎる)
今頃は北の大地にいるのであろう雪名とこの気持ちを分かち合えないのがもどかしく、酔ったふりをして俺はひそかにため息をついた。
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