+ + + + + + + + + +
日本にいてはなかなかお目にかかれないような青い海。
その海の水面をきらきらと瞬かせる太陽の光を浴びたヒロさんは、
ちょっと息をのむくらいきれいだった。
いつものヒロさんは人目を気にして「くっつくな」「べたべたするな」なんて言うけれど、
ほんとは子供みたいなところがある人だから、
はしゃいで俺にバシャバシャ水をかけてくる。
ああもう、ヒロさんはきれいで可愛くて、言葉にならない。
夕日が海に沈む頃、もともと人の少なかったビーチは俺たち以外いなくなり、
ヒロさんはだんだん口数が少なくなってくる。
そして何か言いかけて、うつむいて顔を赤くする。
ヒロさんはこのあと俺たちが何をするか知っているからこんなに可愛く照れるのだ。
俺は何も言わずにそんなヒロさんの手をとって、小さな教会へと歩きだす。
ヒロさんとつないだ手の反対の手に握っているのは二つの指輪。
誰もいない小さな教会で、指輪を交換して永遠の愛を誓うんだ。
礼服なんていらないし、ブーケもいらないような気がする。
俺の隣にヒロさんがいて、それだけで十分だ。
あ、でもヒロさんはウェディングベールが似合いそうな気がする。
うん、きっと似合う。
でもベールに似合う服は問題だ。
タキシードはだめだ。
普段着のような格好もおそらくだめだ。
うーん…。
…あ、裸。
そうだ、裸がいい。
ベッドの上でヒロさんを裸にしてウェディングベールを被せて、誓いのキス。
ホテルの窓から差し込む月明かりがヒロさんの何ともいえない表情を浮かび上がらせるんだろうけど、
ここまできたら俺は止まれない。
ヒロさんの体をベッドに横たえて、初夜に恥じらう花嫁のようにヒロさんを扱うんだ。
ゆっくりゆっくり、やさしくやさしく。
『ソレ』の気持ち良さを教えてくれたのは当然ヒロさんなわけだけれど、
そんなことは棚に上げて、恐がらないで、なんて言ってみたりして。
ヒロさんが焦れて泣いてしまったらどうしよう。
そしたらいつもみたいにいっぱい揺すって、いつもみたいに二人でどろどろになろう。
ヒロさんの寝顔を見ながら聞く波の音。
幸福過ぎて死んでしまいそうだ。
※
そこまで考えたところでヒロさんが帰ってきた。
うっかり朝刊に折り込まれていた旅行代理店のチラシを読んだせいで、
ハワイアンウェディングの世界にトリップしてしまった。
まったく、不毛な妄想。
とりあえずヒロさんにおかえりなさいを言うと、
チラシを握り締めた俺の姿を怪訝そうに見つめられた。
「ああ、いえ、いつかハワイとか行ってみたいですよね。」
するとヒロさんは目ざとくチラシのウェディングの文字を見つけたらしく、
ドスドス蹴りを入れてきた。
「あはは、以心伝心ですね。」
久しぶりに顔を合わせた上に、妄想のおかげで色んなところが元気になっていた俺は、
ヒロさんをがっしりホールドして寝室に移動すると、そのまま第3ラウンドにまで持ち込んだ。
妄想の中のヒロさんより本物のヒロさんのほうが可愛かったのは言うまでもない。
END
その海の水面をきらきらと瞬かせる太陽の光を浴びたヒロさんは、
ちょっと息をのむくらいきれいだった。
いつものヒロさんは人目を気にして「くっつくな」「べたべたするな」なんて言うけれど、
ほんとは子供みたいなところがある人だから、
はしゃいで俺にバシャバシャ水をかけてくる。
ああもう、ヒロさんはきれいで可愛くて、言葉にならない。
夕日が海に沈む頃、もともと人の少なかったビーチは俺たち以外いなくなり、
ヒロさんはだんだん口数が少なくなってくる。
そして何か言いかけて、うつむいて顔を赤くする。
ヒロさんはこのあと俺たちが何をするか知っているからこんなに可愛く照れるのだ。
俺は何も言わずにそんなヒロさんの手をとって、小さな教会へと歩きだす。
ヒロさんとつないだ手の反対の手に握っているのは二つの指輪。
誰もいない小さな教会で、指輪を交換して永遠の愛を誓うんだ。
礼服なんていらないし、ブーケもいらないような気がする。
俺の隣にヒロさんがいて、それだけで十分だ。
あ、でもヒロさんはウェディングベールが似合いそうな気がする。
うん、きっと似合う。
でもベールに似合う服は問題だ。
タキシードはだめだ。
普段着のような格好もおそらくだめだ。
うーん…。
…あ、裸。
そうだ、裸がいい。
ベッドの上でヒロさんを裸にしてウェディングベールを被せて、誓いのキス。
ホテルの窓から差し込む月明かりがヒロさんの何ともいえない表情を浮かび上がらせるんだろうけど、
ここまできたら俺は止まれない。
ヒロさんの体をベッドに横たえて、初夜に恥じらう花嫁のようにヒロさんを扱うんだ。
ゆっくりゆっくり、やさしくやさしく。
『ソレ』の気持ち良さを教えてくれたのは当然ヒロさんなわけだけれど、
そんなことは棚に上げて、恐がらないで、なんて言ってみたりして。
ヒロさんが焦れて泣いてしまったらどうしよう。
そしたらいつもみたいにいっぱい揺すって、いつもみたいに二人でどろどろになろう。
ヒロさんの寝顔を見ながら聞く波の音。
幸福過ぎて死んでしまいそうだ。
※
そこまで考えたところでヒロさんが帰ってきた。
うっかり朝刊に折り込まれていた旅行代理店のチラシを読んだせいで、
ハワイアンウェディングの世界にトリップしてしまった。
まったく、不毛な妄想。
とりあえずヒロさんにおかえりなさいを言うと、
チラシを握り締めた俺の姿を怪訝そうに見つめられた。
「ああ、いえ、いつかハワイとか行ってみたいですよね。」
するとヒロさんは目ざとくチラシのウェディングの文字を見つけたらしく、
ドスドス蹴りを入れてきた。
「あはは、以心伝心ですね。」
久しぶりに顔を合わせた上に、妄想のおかげで色んなところが元気になっていた俺は、
ヒロさんをがっしりホールドして寝室に移動すると、そのまま第3ラウンドにまで持ち込んだ。
妄想の中のヒロさんより本物のヒロさんのほうが可愛かったのは言うまでもない。
END
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