絵とか文のBL2次創作サイト(純エゴ、トリチア、バクステの話が多いです)
ヤナトリチアのホワイトデーです。
しかし、まさか公式でトリチアのホワイトデー投下されると思わなかった笑!
ペーパーは10枚くらい余ってるので、もし欲しい方いらっしゃいましたらメールフォームからお願いします。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/4cbdb78968430
ペーパーだけでしたら送料なしで差し上げますのでお気軽にどうぞ!
※私事でしばらく通販ストップいたします。(4月頃再開します)
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吉野のために買い物をするのはさほど難しいことではない。
長年の付き合いから好みは全て把握しているし、多少思惑から外れたものを買っていっても少々文句は言うものの最終的に大体喜ぶことも知っている。
以前も何か甘いものを買ってきてくれと言われ、ケーキを差し入れに持っていったことがある。
その時は、「プリンが食べたかったんだけどなー」などと言いつつ結局買っていった分は全て吉野の腹におさまった。
その時の吉野の言い分はこうだ。
「まあ、トリが買ってきてくれたものなら何でもいいんだけどな」
これを勝手な言い分だと思うか嬉しいと思うかは判断の分かれるところだろう。
俺の場合は前者が四割、後者が六割といったところだろうか。
口ではぶーぶー言いながらも嬉しそうな顔で頬張るところを見ているのは悪い気持ちではない。
おまけにその顔でありがとな、などと言われれば、勝手な奴だと思ったことなど霧消してしまう。
俺も大概都合のいい性格をしているのかもしれない。
そんなわけで吉野に買い物を頼まれるのは苦ではないのだが、今日のメールは少し違った。
『優もいるから優の分も何か買ってきて』
メールの画面を見て俺はため息をついた。
吉野のために何かをしてやるのはやぶさかではない。
むしろできることなら何でもしてやりたいとすら思っている。
(しかし柳瀬の喜びそうなものを見繕うというのは、なんというか)
嫌だというのは言い過ぎだが、楽しいことでもない。
特に、俺から何か差し入れされるということに対して柳瀬はおそらく不快に感じるだろうということが手に取るようにわかるだけに気が進まなかった。
そして何より今日という日が悪いと思った。
ホワイトデーである。
コンビニでもスーパーでも、店内に入れば一番に目につくのはかわいらしくラッピングされたお菓子だった。
無論バレンタインに吉野からは何も貰っていない。
当然のように俺があげる方だった。
それはもちろん構わないのだが、この期に及んでまだ吉野にホワイトデーの何かを渡したいという己の欲求に呆れたのだ。
たぶんホワイトデーらしい何かを買っていけば、季節感の薄い生活をしている吉野は喜んでくれるだろう。
また、男の身なのでバレンタインチョコよりは購入するのに敷居が低いのもいい。
しかし柳瀬がいっしょにいるというのに、その目の前でこれを吉野に渡すほどの度胸が俺にはなかった。
(これを柳瀬にも買っていくべきか?)
とりあえず入ったコンビニのレジ前で、俺はしばし思案した。
「おー、おつかれー」
吉野の家に着くと、呑気な顔で出迎えられた。
まだ作業中だったらしく、机に向かっていた柳瀬は俺の方を一瞥すると無言でまた作業に戻った。
「トリ、何買ってきてくれた?」
一方吉野は原稿を放り出して、俺の手にある紙袋に興味津々だ。
吉野の問いに答えるのは後回しにし、俺は柳瀬に声をかけた。
「お前もよかったら少し休憩しないか」
「……?」
唐突に声をかけられ、柳瀬は訝しげな顔をした。
キッチンに向かい、ダイニングテーブルの上に買ってきたものを置いた。
あとを着いてきた吉野がそれを見て目を輝かせる。
「ホールケーキ!超久しぶり!」
4号サイズの小さなものだが、吉野の目には特別なものに映ったのだろう。
結局、あの後俺はコンビニを出て、よく作家に差し入れをする洋菓子屋へ向かったのだった。
柳瀬の分もいっしょに買っていくならば、いっそもっと本気なものにしてやろうと開き直ったのだ。
「優ちょっとこっち来いよ!見て見て」
「はあ?ていうかそれ羽鳥がお前に買ってきたんじゃ……」
渋々といった様子でキッチンにやってきた柳瀬が目を丸くした。
「なんで俺にそれ食わそうとするわけ?」
柳瀬が妙な表情をするのも無理はない。
デコレーションされたケーキの上には「White Day」と書かれたプレートが乗っているのだ。
「せっかく三人いるんだから、三人で食べられるものにしてみた」
「おっ、トリいいこと言うじゃん」
吉野は無邪気に笑う。
今度は柳瀬がため息をつく番だった。
「ま、いいや。俺がコーヒー入れてやるよ」
「すまないな」
「ったく、どういうホワイトデーだよ」
ぶつぶつ言いながら柳瀬がコーヒーを用意し、その間に俺がケーキを切り分けた。
四等分されたケーキを三人で一切れずつ食べる。
余った一つを吉野がそわそわ見つめているのを二人同時に気付き、どちらともなく無言で押しやったのだった。
END
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