絵とか文のBL2次創作サイト(純エゴ、トリチア、バクステの話が多いです)
千秋のところにはいっぱいファンレターが届くんだろうなあというお話です。
書きながら、自分が昔書いたアイタタなファンレターを思い出し悶え苦しみました。
とりあえず私が今までに出したファンレターは全部燃え尽きてください。
ひらにひらに。
「続きを読む」からどうぞ。
書きながら、自分が昔書いたアイタタなファンレターを思い出し悶え苦しみました。
とりあえず私が今までに出したファンレターは全部燃え尽きてください。
ひらにひらに。
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+ + + + + + + + + +
吉川先生へ
はじめまして。
私は先生のファンの小5の女子です。
先生の漫画が大好きで、毎月エメラルドを読んでいます。
エメラルドの中では吉川先生の漫画が楽しみで、一番に読んでます!
この前ずっと続いてた連載が終わってしまってから、しばらく先生の漫画が読めなくてさびしかったんですけど、
また新しく連載が始まってすごく嬉しいです。
今からもう、早くコミックスが出ないかなあって思ってます。
(先生はコミックスでいっぱいおまけ漫画を描いてくれるので大好きです!)
前の連載もすっごく好きだったけど、新しいお話も最初からときめきっぱなしです。
とくにこの前出てきた新キャラの男の子がヤバいです!
先生のああいうかっこいい系のキャラに弱いです…。
実は先生に聞きたいことがあってお手紙を書いてしまいました。
今学校で漫画を貸し借りするのが流行ってて(先生にはないしょです!汗)
私は先生の漫画が超オススメなので学校に持っていったんですけど、
私の好きな男の子が、この漫画すごい面白いじゃんって言ってくれたんです!
なんか出てくる女の子がみんな健気で頑張ってて、それに共感しちゃう俺ヘン?とか言ってて笑っちゃったんですけど、
男子も面白いって言ってくれる漫画が描ける吉川先生はすごいなあって思いました。
それで思ったんですけど、きっとその子は吉川先生みたいな女の子が好きなんだと思うんです。
どうやったら私も吉川先生みたいな女の子になれますか??
先生の漫画に出てくる子たちみたいに可愛くないし、性格ももっとダメダメな感じです…。
先生って子供の頃どんな女の子でしたか?
私もその子に好きになってもらえるような女子になりたいです>_<
なんだか相談みたいなお手紙になっちゃってごめんなさい!
これからも先生の漫画楽しみにしてるので、頑張ってください!
※※※※※
「トリー、俺って小学生の頃どんなんだった?」
「宿題は俺に頼ろうとする、放課後にはウチでおやつをたかろうとする、厄介ごとには全て俺を巻き込む。そういう小学生だったな。」
「そうですか……。」
ソファーに寝転がりながら、吉野が可愛らしい便箋を手に難しい顔をしている。
吉川千春が男であるということを知っている人は少ない。
だから吉野のことを女性作家だと信じきった読者から手紙が届くことは頻繁にある。
大抵は作品の感想なので、普通の作家と何ら変わらず喜んでファンレターを読んでいるのだが、
吉野自身のことに触れた内容の手紙が届くと、吉野はああやって困ったような顔をするのだ。
積極的に嘘をついているわけじゃない。
だけど自分からバラすようなこともしたくない。
これまでもそういう主義を貫いているので、その板ばさみで多少心苦しい思いをするのだろう。
「何で俺に恋の悩みとか相談しようと思っちゃうんだろう……。」
「まあ、お前を知ってる奴だったら相談しようとは思わんだろうな。」
ぐでんとクッションにもたれかかり、顔を少しだけ赤らめて困り顔をしている吉野をちょっと可愛いと思ってしまう。
エメラルドの読者層を考えると、どうしても思春期真っ盛りの女の子たちから手紙が届いてしまうのだ。
そういった純粋な気持ちを一生懸命可愛らしい字で綴られると、こいつは本気で照れてしまうらしい。
「この子たち、俺が男だって知ったらやっぱりがっかりするかな。」
「イメージは崩れるかもしれんだろうが、お前の漫画をワクワクしながら読んだ思い出は色褪せないさ。」
「……そっかな。」
俺の返事に満足したのか、吉野はほっとした顔に戻って封筒へ便箋を丁寧に戻した。
こうやって読者のことをあれこれ考える吉野を見ていると、編集者という仕事を選んでよかったと心から思うことができる。
吉野の傍にいたいという不純な動機で選んだ職業だったけれど、いい漫画を描きたい、読者を喜ばせたいと懸命に頑張る吉野を一番近くで見ていられるのは本当に幸せなことだと思う。
担当という立場の手前、締め切り破りは口を酸っぱくして叱り飛ばすけれど、こいつが面白い漫画を描くためなら一週間貫徹も印刷所に頭を下げまくるのも苦ではない。
自分にできる精一杯のことをして、吉野を支えてやりたい。
俺はそう思うだけだ。
「ま、とりあえず読者のためにできることは原稿を進めることだな。」
「わかってますよーだ。」
口をとがらせて、吉野はおとなしく机に戻っていった。
俺は夜食の用意をするためにキッチンに向かう。
「吉川千春が理想の女の子、か。」
包丁を片手に思わず一人で吹き出してしまった。
料理はできない、片付けもできない、口だけはやたら達者。
読者の女の子がどんなイメージを持ってしまったのかは知らないが、吉野は理想の女性とは相当かけ離れているだろう。
だけどそんな吉野でも俺のように死ぬほど好きになってしまうことだってあるのだから、彼女は彼女なりに頑張ればいい、と顔も知らない吉野のファンにエールを送った。
夜食のにおいにつられて顔をのぞかせた恋人の表情は笑ってしまうくらい呑気なものである。
END
はじめまして。
私は先生のファンの小5の女子です。
先生の漫画が大好きで、毎月エメラルドを読んでいます。
エメラルドの中では吉川先生の漫画が楽しみで、一番に読んでます!
この前ずっと続いてた連載が終わってしまってから、しばらく先生の漫画が読めなくてさびしかったんですけど、
また新しく連載が始まってすごく嬉しいです。
今からもう、早くコミックスが出ないかなあって思ってます。
(先生はコミックスでいっぱいおまけ漫画を描いてくれるので大好きです!)
前の連載もすっごく好きだったけど、新しいお話も最初からときめきっぱなしです。
とくにこの前出てきた新キャラの男の子がヤバいです!
先生のああいうかっこいい系のキャラに弱いです…。
実は先生に聞きたいことがあってお手紙を書いてしまいました。
今学校で漫画を貸し借りするのが流行ってて(先生にはないしょです!汗)
私は先生の漫画が超オススメなので学校に持っていったんですけど、
私の好きな男の子が、この漫画すごい面白いじゃんって言ってくれたんです!
なんか出てくる女の子がみんな健気で頑張ってて、それに共感しちゃう俺ヘン?とか言ってて笑っちゃったんですけど、
男子も面白いって言ってくれる漫画が描ける吉川先生はすごいなあって思いました。
それで思ったんですけど、きっとその子は吉川先生みたいな女の子が好きなんだと思うんです。
どうやったら私も吉川先生みたいな女の子になれますか??
先生の漫画に出てくる子たちみたいに可愛くないし、性格ももっとダメダメな感じです…。
先生って子供の頃どんな女の子でしたか?
私もその子に好きになってもらえるような女子になりたいです>_<
なんだか相談みたいなお手紙になっちゃってごめんなさい!
これからも先生の漫画楽しみにしてるので、頑張ってください!
※※※※※
「トリー、俺って小学生の頃どんなんだった?」
「宿題は俺に頼ろうとする、放課後にはウチでおやつをたかろうとする、厄介ごとには全て俺を巻き込む。そういう小学生だったな。」
「そうですか……。」
ソファーに寝転がりながら、吉野が可愛らしい便箋を手に難しい顔をしている。
吉川千春が男であるということを知っている人は少ない。
だから吉野のことを女性作家だと信じきった読者から手紙が届くことは頻繁にある。
大抵は作品の感想なので、普通の作家と何ら変わらず喜んでファンレターを読んでいるのだが、
吉野自身のことに触れた内容の手紙が届くと、吉野はああやって困ったような顔をするのだ。
積極的に嘘をついているわけじゃない。
だけど自分からバラすようなこともしたくない。
これまでもそういう主義を貫いているので、その板ばさみで多少心苦しい思いをするのだろう。
「何で俺に恋の悩みとか相談しようと思っちゃうんだろう……。」
「まあ、お前を知ってる奴だったら相談しようとは思わんだろうな。」
ぐでんとクッションにもたれかかり、顔を少しだけ赤らめて困り顔をしている吉野をちょっと可愛いと思ってしまう。
エメラルドの読者層を考えると、どうしても思春期真っ盛りの女の子たちから手紙が届いてしまうのだ。
そういった純粋な気持ちを一生懸命可愛らしい字で綴られると、こいつは本気で照れてしまうらしい。
「この子たち、俺が男だって知ったらやっぱりがっかりするかな。」
「イメージは崩れるかもしれんだろうが、お前の漫画をワクワクしながら読んだ思い出は色褪せないさ。」
「……そっかな。」
俺の返事に満足したのか、吉野はほっとした顔に戻って封筒へ便箋を丁寧に戻した。
こうやって読者のことをあれこれ考える吉野を見ていると、編集者という仕事を選んでよかったと心から思うことができる。
吉野の傍にいたいという不純な動機で選んだ職業だったけれど、いい漫画を描きたい、読者を喜ばせたいと懸命に頑張る吉野を一番近くで見ていられるのは本当に幸せなことだと思う。
担当という立場の手前、締め切り破りは口を酸っぱくして叱り飛ばすけれど、こいつが面白い漫画を描くためなら一週間貫徹も印刷所に頭を下げまくるのも苦ではない。
自分にできる精一杯のことをして、吉野を支えてやりたい。
俺はそう思うだけだ。
「ま、とりあえず読者のためにできることは原稿を進めることだな。」
「わかってますよーだ。」
口をとがらせて、吉野はおとなしく机に戻っていった。
俺は夜食の用意をするためにキッチンに向かう。
「吉川千春が理想の女の子、か。」
包丁を片手に思わず一人で吹き出してしまった。
料理はできない、片付けもできない、口だけはやたら達者。
読者の女の子がどんなイメージを持ってしまったのかは知らないが、吉野は理想の女性とは相当かけ離れているだろう。
だけどそんな吉野でも俺のように死ぬほど好きになってしまうことだってあるのだから、彼女は彼女なりに頑張ればいい、と顔も知らない吉野のファンにエールを送った。
夜食のにおいにつられて顔をのぞかせた恋人の表情は笑ってしまうくらい呑気なものである。
END
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